R-style 『知的生活とは何か』連載の読書メモ(抜き書き)
R-style 『知的生活とは何か』連載の読書メモ(抜き書き)
その1 https://rashita.net/blog/?p=26206
"世間から一定の評価を得ている作品だ。それを読んだとして、Xという量の感興を得たとしよう。そしてその量が十分に小さかったとする(つまり、「ほんとうにおもしろい」とは思えなかった、ということだ)。
にも関わらず、その本を「わかった」としてしまうと、悲劇が生じる。単にその本のことを過小評価するだけでない","読書の面白さが、感興量Xであるならば、一体そんなものを必死に求める気になるだろうか。なるはずがない。
この点から、(やや飛躍はあるだろうが)私は、知的生活というのを、「わかる」に向かおうとする生活だと定義してみたい。"
その2 https://rashita.net/blog/?p=26217
"「わかる」に向かおうとする生活は、必然的に「わからない」に耐える生活でもある。あるいは、「わからない」と併走する生活であるといってもいい。
「わからない」から「わかろうとする」のであり、「わかる」まではずっと「わからない」状態でありつづける。"
その3 https://rashita.net/blog/?p=26222
"・「未来」は(簡単には)わからない出来事である
ということを受け入れるということだ。
「未来」がわからないなら、計画経済は放棄されるだろうし、「私」がわからないならパターナリズムは持ち得ない。「あなた」がわからないなら、その存在を「適切な場所に配置」することはできないし、それは他者を管理下に置くことを手放す、ということになる。政治的観点でも、無知のヴェールを肯定する方向に向かうだろう。
結果的にそれは、リベラル的価値感に近づいていく。"
その4:https://rashita.net/blog/?p=26226
"人間は現実をそのまま知覚しているのではなく、解釈して認知へと変換しているので、「〜〜なはずだ」という思いが強いと、それに合わせて現実を変えてしまうことがある。","対話は面倒で、うまくいくかどうかもわからない。だったら、そんなことしなければいいじゃないか、となった途端に、「わかる」に向かうベクトルは失われる。"
タグ 思い込み、つながり
その5:https://rashita.net/blog/?p=26231
"・不安定さを引き受けること
・手間や面倒さを害悪だとは捉えないこと
不安定さとは、愚かさであり、変化の可能性である。手間や面倒さとは、手を伸ばすことであり、リンクをつなげることだ。"
⇒「愚か(無知・わからない)」から「わかろう」「わかりたい」へと変化する過程そのものの価値。
リンクをつなげること、脳の能動的活動、自分の既存の知識に新しい知識をつないで、世界とつながろうとする過程と欲求。
番外編:https://rashita.net/blog/?p=26252 (《【書評】『知的生活の設計』(堀正岳)》)
"生産を志すというよりも、むしろ生産せざるをえないような形で情報を受け取ること。"
タグ 分かる、分からない、分かろうとする、読書、学習、インプット、ジョン・ロールズ、『正義論』、ブラック・スワン、『反脆弱性』、道徳、『Learn Better』
from 20181121